スヴャトスラフ•リョーリフ。 『祈り』
この作品はそのホールの作品です。
スヴャトスラフ•リョーリフ 『祈り』
1934年
36,0 х 41,5 cm
キャンバス上のテンペラ画
以前はニコライ・リョーリフが描いたと思われていた「祈り」という作品は、実際にはスヴャトスラフ・リョーリフによって、クルー渓谷に隣接するラホールの高山、ヒマラヤ渓谷にて作成された。
1930年代初頭に、スヴャトスラフ・リョーリフはヒマラヤ研究所「ウルスヴァティ」によって主催された仏教僧院が多く集う、西ヒマラヤのこの地域への科学研究遠征に参加し、僧侶の日常生活を観察することができた。
「祈り」という絵画のために、スヴャトスラフ・リョーリフは珍しい構図を選んだ。平面、おそらく修道院の屋根の上に立ち、杖を手に握るラマの姿を、我々は後ろから覗くような構図となっている。どうやら、ラマは朝の祈りのために屋根に登ったのではないだろうか。
彼の目の前では、雲や霧は消え去り、全体が澄み渡った明るい太陽に照らされている。そして後景には、永遠に溶けることのない雪に覆われた厳かな山脈が描かれている。
一般的に、ラマの姿のほとんどは、繊細な層雲のある青空を背景に描かれる。
バーガンディ色のラマの服の折り目は、わざと山脈の輪郭と同じように描かれ、人間と自然の共通性を強調している。そして、ラマが唱える祈りが天と地を結びつけ、この作品全体から、「地上から空へと祈りを捧げる」ということが滲み出ている。
ロシア語からの翻訳者:
オレクサンドル・チスチャコフ
翻訳補助:
加藤 はる花
2021-22年
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