スヴャトスラフ・リョーリフ 『チベットのラマ』
この作品はそのホールの作品です。
1920–1930年代
118,5 х 148,5 cm
キャンバス上のテンペラ画
絵画『チベットのラマ』は、1920年代から1930年代の間にスヴャトスラフ・リョーリフによって制作されたラマの肖像画の一つである。
眩いばかりの金色の背景に、祝福の衣装を身に着けた三人の高齢のラマ。絵画の色は開放的で中間色はほとんど使われておらず、極端な色使いがされている。
画家は、ラマの服や頭飾りの植物の模様を細部まで丁寧に描いた。
ラマの姿は非常に表現力豊かに描かれている。顔にはしわがあり、しおれた手には多くの血管が浮き出ている。そして視線は注意深く鋭い。
ラマの一人は、白い「ハダク」という絹のスカーフを持っているが、これは深い敬意の印として贈られる物である。
もう一人のラマの手が握っているものは、唱えた祈りの回数を数えるために使用されるものである。
この肖像画は、その内面のダイナミズムが特に注目されている。
スヴャトスラフ・リョーリフは、次の行動を起こす直前の、期待を胸に集中している状態のラマを捉え、その姿を描いた。おそらくラマの一人はそれについての何かを他のラマに話している。
スヴャトスラフ・リョーリフはモデルの内面に興味を持っていた。
アメリカの記者でありリョーリフ族の協力者でもあったフランシス・グラントは、画家についてこう発言した。
「...スヴャトスラフは、絵画の登場人物の目や顔の表情をよく見ながら、自分自身の問いに対する答えを探しているようですね。それはまるで彼が岐路に立って、人々が人生の旅をしているのを見つめているかのようです。」
ロシア語からの翻訳者:
オレクサンドル・チスチャコフ
翻訳補助:
加藤 はる花