スヴャトスラフ・リョーリフ 『キリスト 弟子らと共に』

この作品はそのホールの作品です。

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『キリスト 弟子らと共に』

1930年代後半-1940年代初頭

91,5 х 183,0 cm

キャンバス上のテンペラ画

 

     

 

スヴャトスラフ・リョーリフは1930年代から1940年代初頭にかけて、世界の宗教や教えの創始者、偉大な聖人や利他主義者、哲学者、文化的英雄である人類の精神的な大教師らの真の偉大さの理解を促すための一連の絵画の制作を構想していた。いずれも人類史の最も重要な瞬間に、人々に知識をもたらし、それによって人類の進化に貢献した人たちです。


スヴャトスラフ・リョーリフの『キリスト 弟子らと共に』は、大教師であるイエス・キリストに捧げられている。天からは虹色の光が降り注ぎ、宇宙の沈黙へと入り込む。そしてそれは荘厳に降り注ぎながら天と地を繋いでいる。弟子たちに囲まれているキリストは岸沿いを歩いてゆく。

 

画家は、教師が弟子らに知識を伝達するという隠された瞬間を捉えていた。

弟子らの姿と身振りは忠実に表現力豊かに描かれている。

驚いた弟子は両手を広げ、もう一人は祈りの所作を通して気持ちを表現し、キリストから聞いたことを心に留めようとしている。

右側の弟子は混乱しながらキリストの顔を見つめ、ある弟子は一人距離を置き背後で佇んでいる。 他の弟子らは俯きながら何かを考えている。


絵画は未完成であると見なされているにも関わらず、画家は作中全ての登場人物の個性や特徴を伝えることに成功している。この作品の登場人物は、愛や誠実さ、献身さや嫉妬、そして友情と裏切りなど、人間関係の全ての要素を網羅している。


福音書の物語とその哲学的考察を深く掘り下げることによって、画家は教会の教義にとらわれず、型破りなキリストの姿を示すことに成功した。

キリストと弟子らの間の習慣的な境界線はなく、弟子らとつながり、弟子らのための生きた手本となった。キリストは「人間の足」でこの世の道を歩み、「人間の手」で行動した。


「私が道であり、真理であり、命なのです。」

と、キリストは指摘していた。


キリストは、庶民に寄り添うために地球を訪れた。

彼は人々に愛や慈悲、慈愛についての教えをもたらし、人々に寛容さと謙遜さ、敵は許すが悪には対抗するという能力、また、嘘や偽善を明らかにする能力を与えた。

キリストはその犠牲的な人生の全てをかけて、より高次の世界を受け入れこの世を光に変え、人間の意識を変化させるという主な目標を示した。

 

スヴャトスラフ・リョーリフの『キリスト 弟子らと共に』は、底知れない内面の強さと説得力に満ちている。

この絵画は、人間がどのようにすれば神のようになることができるのかを示すために人間となって地球に到来した大教師の「来臨の意味」を反映している。

 

ロシア語からの翻訳者:

オレクサンドル・チスチャコフ

翻訳補助:

加藤 はる花

2021-22

 

 

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