スヴャトスラフ•リョーリフ。 『蛇使い』

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『蛇使い』

1937年

138,0 х 122,5 cm

キャンバス上のテンペラ画

 

 

スヴャトスラフ•リョーリフは自分の作品の中で、インドの人々の伝統的な習慣や儀式に繰り返し目を向け、それらの意味の深さを表現することに力を注いだ。

インドのカルトの中で、ヘビの崇拝は特別な位置を占めている。インドで蛇は叡智の象徴であり、そして蛇使いの儀式は特別なシヴァ神の崇拝の儀式となっている。蛇はこの神の首飾りとしての役割を果たし、この高い集中力が求められる儀式は、神と人間の世界を繋いでいる。

 

自身の日記の中でスヴャトスラフ•リョーリフは、高い集中力を保つことの重要性や、自己改善の内なる力における高い緊張感の必要性について言葉を残した。


「人間における性質の難しさは、継続的な努力が出来る人はそう多くはいないということです。通常、それは短く断続的なものであります。ですから、揺るがぬ努力の継続が成功の秘密ということです。努力の勢いが強く継続されればされるほど、そのエネルギーは多く生み出され、更に強いエネルギーの渦と繋がり、長期に渡っていきます。」

 

「自身の全ての身体的、精神的能力を完全にコントロールするために、それは私達が覚悟を持って全力で求めるべき精神の姿です。明智を集中させ、自身の行動の全てを認識すれば、私達は巨大な力を手に入れます。そして大幅なエネルギーの削減が実現し、その結果、私達に更なる集中力とエネルギーを与えます。」

 

そしてそのアイデアは、彼の作品に描かれた精神修行と儀式に人生を捧げた人々の姿を通して表現されていた。

この絵画では、山中の広い坂道に蛇使いが描かれている。彼の前には6匹のヘビが尻尾で直立している。スヴャトスラフ•リョーリフは儀式の外側だけではなく、神聖なコブラを従えるために必要なその巨大な意志の力も伝えている。絵画の彩りが緊張感を与え、蛇使いのオレンジ色の服は、蛇の鱗に火影の様に反射してる。

ブラシストロークは迅速でダイナミックであり、この絵の観覧者は、蛇使いを包み込んでいる煌めく力の霧を通してこの風景を見ることが出来る。

 

クルー渓谷にある「ウルスヴァティ」というヒマラヤ研究所でこの絵を見たインドの評論家、サンジワ•デヴは、この絵画は色彩と構図の並外れた魅力が特徴であると注意を促していた。

 

 

ロシア語からの翻訳者:

オレクサンドル・チスチャコフ

翻訳補助:

加藤 はる花

2021-22
 
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