ニコライ•リョーリフ。 『モンゴルツァム』(宗教儀式)

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『モンゴルツァム』(宗教儀式)

1927–1928年々

96,5 х 152,5 cm

キャンバス上のテンペラ画

 

 


『モンゴルツァム(宗教儀式)』というこの絵画は、中央アジア遠征(1924-1928)の終了後にダージリンにて制作された。画家はここに古代のミステリーの断片を描いていた。ニコライ・リョーリフはインド、チベット、モンゴル北部、ブリヤーチアで広まったツァムの宗教儀式を、1926年から1927年まで続いたモンゴルへの遠征中に観察することができた。

しかしこの宗教儀式「ツァム」は、1930年以降開催されなくなってしまった。したがって、この珍しい神聖な奉仕を描いたニコライ•リョーリフの作品は、東洋の人々の文化を研究する上で非常に重要なものとなった。


 広い絵画の空間は大勢の観客で埋め尽くされており、観客の姿は非常に一般化された方法で描かれている。影が地面にある寺院の向かいには、赤、青、黄色の絹で作られた天蓋があり、仏教のパンテオンの最高の神々の絵柄の巨大なタンカが天蓋の上にそびえ立っている。左側には台に置かれた楽器、つまり儀式用のパイプが設置されている。曼荼羅の周りのフリースペースでは、特別な服や頭飾りを身に着けた数人のラマが儀式を進行する。彼らの緊張した様子から、儀式を成し遂げるための彼らの完全なる集中力が伝わってくる。

 神聖なこのミステリーパフォーマンスは、独特な踊りや楽器による音の儀式を通じて悪に対する善の勝利の物語を語っている。一般的な内容に加えて、秘跡には隠れた深い意味があろ。そしてその本質は常に守られており、無献身者には届かない。

 

 絵画の構成は独特であり、地平線を覆う空間の3分の2が、神聖な仏像であるタンカで占められている。

 ニコライ•リョーリフは興味深い芸術的技法を使用し、この空間では3つの独立した作品が配置されている。各タンカは非常に注意深く描かれており、仏教の図像の色と構成の規範を厳守している。


 中央のタンカは永遠の生命の仏、阿弥陀如来に捧げられた。阿弥陀如来の体は赤く塗られており、この色はすべての生き物への愛と思いやりを象徴している。彼の瞑想のムードラによって折りたたまれた手には、アムリタ(不死の蜜)が注がれた器がある。

 絵画の右側の白いターラは、純粋さと正義を象徴する蓮の茎を手にしている。

 左に描かれた尊勝仏頂の8つの手には、精神的な健康と長寿といった属性が描かれている。

 これらの最高の神々の像が描かれた巨大なタンカは、この宗教儀式における彼らの存在の象徴であった。


ニコライ•リョーリフはこの儀式について以下の言葉を残した。:


「モンゴルの神聖な踊りについての私の絵画を思い出して下さい。砂漠には、素敵な色彩で作成された巨大な大旗が広がっており、複数の力強いパイプの音が雄大な合唱団として融合しています。神聖な踊りは朝から夕方まで続きます。連日、大勢の人が神聖な儀式に参加し、それらの人々は美しいものへの気づきを人生にもたらし、珍しいことを正しく認識するようになります。エジプトの神聖な儀式や、デルフィックミステリーなどの全てはすでに我らからはるか遠く離れているため、年代記や歴史書の一部になっています。

 しかし、現代の生活における美の強力な現れを目の当たりにすると、我々はどれだけ多くのことが達成できるかを感じるようになります。そして繰り返しになりますが、賢明な人々が全ての社会的儀式の美術的な美しさと音楽性をなぜそれほどまでに重要視したのかを理解できるようになります。

確かに、いつでも、どこへでも”全ての美”を広げることは私たちの義務であります...」


 踊るラマの衣装の象徴、魔法の様な動きや言葉の意味は未だ謎に包まれてるが、神と人間の両方が参加する宇宙のプロセスと繋がっている。

 時間の霧に端を発した東のミステリーは、同じレベルのエジプトや古代ギリシャのミステリーと結びつきがあり、これらは最高知識や精神美の源として存在していた。

 

 

 

 

 

ロシア語からの翻訳者:

オレクサンドル・チスチャコフ

翻訳補助:

加藤 はる花

2021-22

 

 

 

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