ニコライ•リョーリフ。『白いブルカンの使者 オイロット』
『白いブルカンの使者 オイロット』
「東洋の大旗」シリーズ
1925年
73,1 х 116,7 cm
キャンバス上のテンペラ画
絵画『白いブルカンの使者 オイロット』はニコライ・リョーリフによってカシミール地方にて制作された。
この絵画の主題である「白いブルカン」(モンゴル語で「神様、光の使者」の意)の伝説と、アルタイに住んでおりカルムイク人であるオイラト民族の英雄「オイロット」の名はこの作名と関係している。
この伝説「白いブルカン」は、地球上に平和や公平性の時代を確立する神(仏)の差し迫った到来について語っている。
このニコライ・リョーリフの絵画の中で、画家はオイロットを年老いた老人として描いた。
オイロットは満月の光をわずかに受けながら夜空の下で白馬に乗り、白馬の脚が地に付くか付かないかほどの状態で、畏怖の念を抱きながら硬直している少女の元に幻影のように現れる。
月夜に照らされる生きた人間だろうか、山をすり抜ける幻だろうか、真実はどこにあるのだろうか…画家は絵画の前景をほとんど描かず、二重の印象を作り出した。
ニコライ・リョーリフは自身の『アシアの心』という著書の中で、このような言葉を残した。:
「1904年、オイラトの少女は霊夢を見ました。白馬の上に天福オイロットが現れ、自分は白いブルカンの使者であり、ブルカン自身もすぐに到来するということを伝えました。祝福されたオイロットは羊飼いの少女にこの国の正統な伝統を復活させる方法や、地球上に新しく幸せな時間をもたらす白いブルカンをどのように迎えれば良いかということについてなど、多くの指示を与えました...。
白いブルカンを平和に信仰していた崇拝者たちはひどく迫害されましたが、天福オイロットの教えが滅びることはありませんでした。これまで白馬に乗った者がアルタイ山脈に現れる度に、人々の白いブルカンへの信仰心は高まりました。」
ロシア語からの翻訳者:
オレクサンドル・チスチャコフ
翻訳補助:
加藤 はる花